Hepatic portal venous gas in an elderly with Crohn’s disease

 

(門脈ガス血症を伴った高齢発症Crohn病の1例)

 

【症例】72歳,男性.【主訴】右下腹部痛,嘔吐.【既往歴】高血圧,大動脈解離(DeBakeyIIIb).【現病歴】2013年4月に突然の強い右下腹痛と嘔吐を主訴に当院救急外来を受診した.腹部は板状硬で,CTで回盲部の炎症と門脈内ガス像を認めたが,腸管壊死や穿孔を示唆する所見はなかったため,回盲部炎の診断で保存的に治療する方針で当科入院となった.入院後経過は良好で5月中旬に退院となったが,1週間後に腹痛と嘔気を主訴に再受診した.CTで回盲部に狭窄起点のある小腸イレウスを認めたため,精査加療目的に再入院となった,イレウス管を挿入し減圧を図ったのち下部消化管内視鏡を施行したところ,回腸末端に白苔を伴った全周性の潰瘍と狭窄を認め,同部位からの生検でCrohn病と診断された.回盲部の狭窄は高度であり,内視鏡的バルーン拡張術による治療は困難であると判断して,回盲部切除術を施行した.術後は5-ASA製剤内服とインフリキシマブで寛解を維持している.【結語】門脈ガス血症を伴う高齢発症のCrohn病の1例を経験した.高齢発症のCrohn病は報告数が少なく,さらに門脈ガス血症を伴った興味深い症例として報告する.