骨密度増加作用と骨折抑制効果

 

 活性型ビタミンD3は,わが国では骨量維持効果と脊椎骨折抑制効果を有することが証明されており6),最もよく処方されている薬剤である.しかし,欧米での活性型ビタミンD3の骨粗鬆症治療薬としての評価は必ずしも高いものではなく,低Ca摂取者やビタミンD不足者,高齢者において有効な例はあるが,これは骨への直接作用ではなく,腸管からのCa吸収促進効果によるものであろうという程度の評価が大部分であった.

 しかし,メタ解析で活性型ビタミンD,製剤の0.5μg/日以上の投与により,腰椎,前腕の部位で有意な骨密度上昇を認め,脊椎骨折の相対リスクを有意に抑制することが明らかとなり7),わずかな骨量増加作用と骨折抑制効果を有する薬剤であると認識されるようになった.ステロイド骨粗鬆症に対する有用性も報告されており,メタ解析において,活性型ビタミンD3製剤が骨量減少を抑制し,有意な椎体骨折抑制効果を有することが示された。

 一方,非椎体骨折については,65歳以上の高齢者に活性型ビタミンD3を0.5μg/日以上投与した検討のメタ解析にて,非椎体骨折の相対リスクを有意に抑制するとされた。 ほかのメタ解析でも非椎体骨折抑制効果が示されており,これには転倒予防効果が寄与していると考えられている.

1。新規活性型ビタミンD3製剤

 新規活性型ビタミンD3製剤であるエルデカルシトールは1 a, 25 (OH) 2 D八こ比し,骨に対する作用が強化されたビタミンD誘導体である.わが国における原発性骨粗霧症患者を対象とした検討で,天然型ビタミンDを補充したビタミンD充足状態でも,エルデカルシトールが用量依存的な腰椎骨密度増加効果を有することが示されている11).エルデカルシトール0.75μg/日とアルファカルシドール1μg/日によるわが国での二重盲検大規模臨床試験にて,エルデカルシトールの有意な椎体骨折抑制効果が示された

2.併用療法

 日本骨粗頼症学会における医師主導型研究組織による治療介入研究:Japanese Osteoporosis Intervention Trial(JOINT)-02では,70歳以上の閉経後女性2,164名を対象として,ビスホスホネートに対する活性型ビタミンD3製剤の併用効果が2年間の前向きで検討されたI。試験全体ではビスホスホネート単独群とビスホスホネートと活性型ビタミンD3併用群で椎体骨折リスクに差を認めなかった

 しかし,サブ解析で既存椎体骨折2個以上の症例,椎体骨折グレード3以上の重度の椎体骨折症例において,単独群に比し併用群で有意な椎体骨折抑制効果を認めた.つまり,重症骨粗程症においては併用療法が有用であることが明らかにされた.この効果はビタミンD充足状態を反映する25(OH)D濃度の高低で,骨折抑制効果に差を認めておらず,活性型ビタミンD3自体の骨自体あるいは骨外への作用によりビスホスホネートとの相加効果を示した可能性が考えられる.

3 使用方法

 活性型ビタミンD,製剤には1 a (OH)D3(アルファカルシドール)と1 a, 25(OH)2 D3(カルシトリオール)の2種類