PTH製剤の種類と間欠皮下注射

 

 動物の骨折モデルおよびヒトの骨折症例において,PTH間欠投与は軟骨細胞の増殖および分化促進,骨芽細胞増殖および骨基質産生促進作用,リモデリング促進作用などにより,骨癒合期間を短縮することが示されている.メタ解析では,対照群に対して腰痛の相対リスクは66%と軽減し,腰痛改善効果が認められている.ビスホスホネートによる顎骨壊死に対しても,PTHは治癒を促進することが報告されている.

製剤の種類と投与方法

1. PTH製剤の種類

 PTH製剤には, 1-84と1-34の2種類があり,日本においては活性断片であるヒトPTH(l-34)(テリパラチド)の皮下注製剤が市販されているin vitro tこおけるPTH受容体の親和性や,ラットの骨に対する効果などから,両者はほぽ同等の生物活性を有すると考えられる.ヒトPTH(1-34)の点鼻スプレーによる経鼻製剤も検討されている6).

2 間欠皮下注射(連日/週1回)

 PTH持続静脈内投与では骨吸収促進が前面に出て骨量減少をきたすのに対し,間欠皮下投与では強力な骨形成作用を発揮し,連日,週1回投与のいずれにおいても骨形成が骨吸収を上回り,骨密度および骨質を改善する.

 最近になりPTH週1回製剤も市販された.骨粗鬆症患者220人に対し同製剤を各15, 30, 60μg/週で投与したところ,濃度依存性に腰椎骨密度増加効果が認められた(各0.6%, 3.6%, 8.1%).一方,投与期間中の骨吸収マーカーの増加は明らかでなく7),週1回製剤は骨吸収促進作用が最低限に抑えられる可能性が示された.

他剤との併用療法

 PTH製剤は骨形成促進薬であり,骨リモデリングに依存する効果を示すと考えられる.したがって,骨吸収抑制薬を併用し,骨吸収の過度の抑制により骨リモデリングを低下させることに関しては注意が必要である.ビスホスホネートとの併用に関して,これまで効果増強作用は示されていなかったが,最近PTHとソレンドロン酸(初回のみ単回静注投与)の併用群において,骨密度上昇効果が勝っていたと報告された.また,ラロキシフェンに関しては,閉経後女性に対する6ヵ月間の併用で,PTH単独と比較して,骨形成の促進は保たれたまま骨吸収が抑制され,軽度ながら骨密度の増加作用も併用群で勝っていたと報告されている.

4.他剤との逐次療法

 PTH製剤の作用は可逆的で,休薬後は増加した骨量や骨代謝回転はもとのレベルに戻っていくとされるPTH投与により獲得した骨量および骨強度の維持のため,PTH投与終了後に骨吸収抑制剤を投与する逐次療法は,その併用療法と異なって合理的である.実際,アレンドロネートによる逐次療法は明らかな有用性があり,ラロキシフェンについてもその有用性が認められている.