太田母斑nevus of Ota (眼上顎褐青色母斑)

太田母斑nevus of Ota 〔眼上顎褐青色母斑naevus fuscocaeruleus ophthal-momaxillaris Ota 1939〕

 〔症状〕女子の思春期近くになって発することが多い.

 1)顔面片側性に険裂を中心に眼険・頬骨部・側額一頬部〔第V神経第1~2枝領域〕に、全体として淡青色を呈し、そこに淡青~淡褐色の小点が播種状に存する.色調に日差のあることがある〔月経時・不眠・曇天時〕.まれに両側性.

 2)眼球メラノージスmelanosis oculi : 約半数に強膜・虹彩・眼底の色素沈着をみる.その他、鼓膜・鼻粘膜・咽頭・口蓋にも生ずる.

 3)日本人に多く、次いで黒人例があり、白人例はきわめてまれ.

 〔分類〕la型〔軽度眼窩型〕、lb型[軽度頬骨型]、11型〔中等症型〕、m型〔重症型〕、IV型〔両側型:対称型・非対称型〕〔肥田野1979〕

 〔組織所見〕表皮基底層の色素沈着と、真皮の青色母斑細胞の増殖.

 〔予後〕白人例では悪性化することがあるという.

 〔治療〕①カバーマークなど、②冷凍療法〔雪状炭酸圧抵法、液体窒素〕、③皮膚削り術、④高度なら切除植皮.

 〔亜型〕褐青色母斑が、肩峰から三角筋部にかけて生じたものをn. f. acromiodel-toideus〔lto〕、オトガイ・下顎・側頚・項にかけて生じたものを n. f. mandibu-locervicalis〔Sakurane-Yoshida〕という.

 顔面対称性後天性真皮メラノサイトーシス〔金子1988〕

 従来両側性太田母斑と称されるものより、次の特徴あるものを分離して呼称する.①発生は20歳代に多く、10歳代・30歳以降にも生ずる〔後天性〕、②褐~褐紫色の径1~3 mm、大小不同の小斑の多発で融合傾向がない、③額両端〔とくに男子、爪甲大に及び得る〕、頬骨部〔とくに女子〕、上頬、眼瞼、鼻翼、鼻根に奸発、④眼球メラノーシスはまれ、口蓋メラノーシスはない、⑤男女比1:9.⑤日中韓国人にみられる. nevus fuscoceruleus zygomaticus〔Sun 1987〕、 acquired bilateral nevus ofOta-like macules [Hori 1984]とほぼ同義