自閉症児:ことばの使い方、くりかえし行動

 

 自閉症児は一般にことばの獲得が非常におそいだけでなく、ことばの発達パタンやことばの使い方が変わっている.まず、ことばの基底にある(あるいは、ことばに先駆する)と考えられているさまざまな技巧がひどく障害されている.たとえば、自閉症児は社会的な模倣のできないことが多い.さよならで手を振らない、物まねゲームに加わらない、両親の掃除・芝刈り・修理などの仕事の真似をしたり、ついてすることが少ない.物の意味を考えて使う動作の発達がおくれ、玩具の車の車輪をコマのように回したり、口の中に入れたりする.ままごとのセットなどの使い方を覚えるのがおくれ、想像的な「ごっこ遊び」ができない.

 ときに自閉症児がごっこ遊びをするとしても、それは想像的・創造的でたえず変化するというよりは、常同的・くり返し的である.

 ほとんど常に、自閉症児は話しことばの理解に障害がみられ、ジェスチュア、物まねができない.して欲しいことを人に知らせるためには手首をとり(手ではな白、人・物を指で指すことをせず(もしするときには、手で指す)、そのさいに象徴的なジェスチュアやマイムを伴うことがない.

 自閉症児の約半数(とくに、構神遅滞を伴う者)では、生涯にわたってふつうの話しことばを獲得できない.ことばを身につけた者でも特徴的な異常がみられる.①ことばが発達してきたのちにも、長期間にわたる常同的な句のくり返しがふつうである.代名詞のとりちがえ(IとyOUの逆転)がそれに伴う.②ことばがコミュニケーションのふつうの手段としては使われない.自閉症児のことぼけ非常に少なく、彼らの喋ることは彼らが聞いたことと無関係であることが多く、そのため、誰かと話しているというよりは、誰かに話しているという印象を与える.目前の状況について以外のことを話すことが非常に少なく、たとえば、日中に学校で何をしたかを両親に言わない.

 「同一性の固執」

 カナーの使ったこの用語は、さまざまな常同的・くり返し行動にたいして広く使われてきた.①遊戯パターンはかたく、限られており、多様性と想像性が欠如している.玩具をどこまでも一列にならべ、缶とか変わったかたちの石のような奇妙なものを集める.②これらの物にたいするつよい愛着があり、小石を親指と人さし指のあいたにはさんで常にもち歩いたり、いつも特定のバンドをしめていたりする.この愛着は特定の物にむけられ、それをとりあげると抗議する.しかし、その物を結局子どもに返さないでおくと、また別の新しい物への愛着が生じてくる、③バスの路線表、列車の時刻表、色、数、パタンなどに熱中し、その他のことを無視する.ときにそれは常同的な質問のかたちをとり、このときには同じ答えをそのたびに与えないと満足しない/④儀式的で強制的な現象が広くみられる.思春期の子どもでは、特定のもの(たとえば、女性のストッキング)に触れたがる衝動としてみられることが少なくない.⑤環境の変化にたいしてひどく抵抗することがあり、家具を動かしたり、飾りを変えたりすると極端な嘆きをみせる.