小児のてんかん:ウェスト症候群やレノックス・カストー症候群

 

 てんかんは、いずれの年齢でもおこりうるが、初発する時期は生後3ヵ月間と学童期が多い。発作がおこりやすい時期は、発作のタイプによって違うが、年齢依存性の強い発作型とあまり年齢依存性のない発作型とに分けられる。前者については、生後、脳の発達に伴う変化の過程で生じるいろいろな病因に対応した脳の反応が、発作型として発現してくるものと考えられる。

 出生から生後1ヵ月までのあいだの新生児期には、部分発作が多いがその発作部位は一定せず、不安定な時期である。この時期には、脳の局所部位間の相互連絡が十分に確立しておらず、それぞれの部位が比較的独自の活動を営んでいることを反映している。乳児期には、脳全体がてんかん発作に関与するようになり、一側性とか全身性の発作を生じるようになる。この時期にみられる難治性てんかんとしては、ウェスト(West)症候群がある。

 ウェスト症候群は、生後4~12ヵ月頃に好発し、その主な特徴としては、①屈曲型の強直発作、②精神運動発達停止、③脳波上のヒプサリスミア(hypsarhythmia : 高振幅の余波と棘波が混在する不規則な波がっづく)で、発作の持続時間が短く、くり返し反復して生じシリーズを形成する。しかも、これらは主に覚醒時におこり、幼児期後期には消失するか、次に述べるレノックス・カストー(Lennox-Gastaut)症候群へと移行することが多い。ウエスト症候群は、筋けい縮か生じる部位と程度の違いにようて発作症状がことなり、頭部のみを短時間前屈するような症状(点頭てんかん)や頭部と上体を前屈させる症状(挨拶けいれん)など、特徴のある症状を示す。

 幼児期に好発する続発性全汎てんかんとしてレノックス・カストー症候群がある。これは、2歳頃から学童期初期までのあいたに発症し、強直発作を含む多様な発作を含み、予後が不良である。発作は、覚醒、睡眠をとわず多発し、その間は重い精神発達遅滞や運動機能低下をきたす。脳波では、広範性の棘徐波が出現し、睡眠中には、高振幅で律動的な棘波群が出現する。

 ウェスト症候群やレノックス・カストー症候群は、いずれも発作がっづくと知能荒廃をもたらすことが多いため早期に診断し、加療をすることが重要である。