てんかんの類型

 

 てんかん患者は、実際には複数のてんかん発作を併せもっことが多く、また、てんかん発作以外にも運動麻痺や種々の精神症状を示す場合もある。例えば、もうろう状態や周期的に不機嫌状態を生じたりすることがあり、さらに長期にわたっては、性格の偏りや知能障害をきたすタイプもある。したがって、本来てんかん発作の分類とてんかんの分類は別のものであり、 1969年に国際抗てんかん連盟が発表したてんかんの国際分類は、疾患としてのてんかんを分類したものである。これは、てんかん発作と脳波所見を中心として、発病年齢、病因、発作発現部位などを考慮したものであり、てんかんの原因の推定や治療薬の決定・予後の推定など、実際の臨床診断の際の基準としてひろく用いられている。

 (1)全般てんかん

 てんかん発作の分類中、全般発作を示すてんかんで神経学的な異常が特に認められず、遺伝的要因や代謝障害などが関与しているものを原発性全般てんかんと呼んでいる。てんかん発作としては、定型欠神発作、両側性ミオクロニー発作、強直・間代発作などを示すが、抗てんかん剤がよくきき、一般に予後は良好である。これにたいして続発性全般てんかんは、多くの場合、脳に広範な器質性病変が認められ、乳幼児期や学童期に発病するものが大半である。続発性全般てんかんの代表的なものはウェスト症候群とレノックス・カストー症候群であり、これらのてんかんにっいては、「小児のてんかん」として後述する。

 (2)部分てんかん

 てんかん発作の分類の部分てんかんに対応していて、てんかん発作発現部位に比較的限られた症状を示す。そのうち、大脳皮質の器質的病変に対応した症状を示すものは、要紊腟部分てんかんと呼ばれ、複雑発作が認められるてんかんは、複雑部分てんかんと呼ばれている

 (3)その他のてんかん分類

 てんかんの分類には、このほかに原因による分類(真性てんかんと症状てんかん)、発病年齢による分類(乳幼児・小児・思春期・成人・老年)、覚醒睡眠サイクルにもとづいた分類(覚醒てんかん、睡眠てんかん)、てんかんの誘因にもとづく分類(反射てんかんと呼ばれるもので視覚性てんかん、音楽性てんかん等)などがある。

 また、てんかん発作が反復して頻発したり、一回の発作が長時間にわたって続くものもあり、このような状態はてんかん発作重延状態といわれている。発作重延状態が続くと呼吸や循環に重大な支障をきたし、生命の危険にさらされたり、脳に残遺性障害が残ったりする。この重延状態になっても適切な治療をすれば、その状態から脱出することはできるが、重延状態をきたすのは、抗てんかん剤の服用を急に中止したりすることが原因であることが多く、規則的な薬の服用が何よりも大切である。