知的発達障害の早期発見

 

 知的発達障害児の早期発見の意義は、フェニールケトン尿症のような治療可能な疾患を発見し治療を行なうことによって障害の発症を予防することとともに、たとえ、病理的障害そのものを治療できないとしても早期からの治療教育(早期療育)により発達を促進させることができる点において存在する。

 早期発見は、現在次のような体制で実施されている。

 ①母体や胎児の危険要因の発見のための健診

 現在の母子保健法では、妊娠の届出を出した者に母子健康手帳を交付し、必要に応じ妊産婦の健康診査を行い、保健婦による訪問指導等により必要な指導を行なうことになっている。

 ②新生児先天性代謝異常スクリーニング・テスト

 これは1977年より実施にうつされ、昭和56年度では実施率は97。3%になっている。現在このスクリーニング・テストにより発見される先天性代謝異常症は、ヒスチジン血症、フェニールケトン尿症、ガラクトース血症、ホモシスチン尿症、メイプルシロップ尿症である。発見された数はかなりな数になっている。

 ③乳幼児健康診査・1歳6ヵ月児健康診査・3歳児健康診査

 乳幼児健康診査については母子保健法第13条では、都道府県にたいし「必要に応じて」乳幼児にたいして健康診査:を行なうことになっている。現状では心身障害の早期発見のためにあまり効果的に対応しておらず、未受診児の問題、断面的で継続的でない点、発見のための専門医の配置などの問題が残っている。

 1977年から市町村が主体となっている1歳6ヵ月児健康診査は心身障害の早期発見と適切な指導、および心身障害の進行を未然に防止する目的で行なわれている。これは母子保健法第12条によるいわゆる3歳児健康診査では障害の発見がおそすぎるということで、はじめられたものである。1歳6ヵ月の時点では、かなり良い確度で障害の発見は可能となっているが、その後の早期療育体制へと結びつかないのが現状である。