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英検一級合格者は東大合格者より少ない

 

 英検一級取得をおすすめするのには、いささか現実的な理由もあります。

 

 現在のところ、英検一級の資格をもっている人は非常に少ないのです。二〇〇七年のデータでは受験者数二万四九六七名に対し、合格者二五四八名。合格率は一〇・ニパーセットです。かつての合格率三パーセントという時代にくらべればだいぶ上がりましたが、しかし一年に二五〇〇名程度しか合格しません。東大合格者は約三〇〇〇名。なんと毎年の英検一級合格者は東大合格者よりも少ないのです。

 

 合格者の年齢も三〇~四〇歳代が中心です。商社マソ、学者や研究者など、実際に国際社会の中で苦労して英語力を鍛えた人が多いのです。もしその資格を大学卒業時に取得していたら、かなりのアドバンテージと言えるでしょう。なによりも、ちゃんと自己主張のできる英語力を身に付けて社会に飛び出していくことは、さらにグロし(ル化が進む状況を考えると、大きな支えになるはずです。

 

 英検一級(それが難しい場合はとりあえず英検準一級)を大学卒業時までに取得する。これを親子の目標として、約一〇年間の英語の勉強を頑張ってください。英検二級までは満点合格を目指す

 

 英検は一級から五級までありますが、英語力として本当に評価されるのは一級と準一級だけと言ってもいいでしょう。問題の難易度も二級と準一級では大きな開きがありますし、合格ラインも準一級から急に高くなります。

 

 英検は二級までは合格ラインがやや低く設定されており、通常六割以上取れれば合格します。したがって履修範囲の勉強がすべて終わっていなくても、受験対策の夬暗記で合格することが可能です。三級の試験範囲は中学での履修範囲をすべて終おったレベルですが、まだ「関係代名詞」などすべての範囲を習っていない中学一、二年生でも、過去に出題された問題と答えを丸暗記してしまえば、ある程度は解けます。なんとか六割ラインぎりぎりで合格してしまうことも可能です。しかしこうして、受験テクニックを使って合格してもぱっきり言ってなんの意味もありません。

 

 ところが、周囲を見回すと小学五年で四級に受かったとか、中学一年で三級に受かったと、「いつ○級を取ったか」でお母さんたちが競争している姿をよく見かけます。中には早く級を取らせようとするあまり、受験テクニックに走ってしまうという本末転倒なケースさえあります。

 

 大切なのは、一級、準一級を二〇歳頃に取得できるように英語の実力を伸ばすことであって、小学五年で四級を取ることではありません。

 

 英検五級から二級までは、「何年生で取れたか」ではなく、満点かそれに近い点数で合格することを目指すべきです。

 

 英検は級ごとにレベル設定が明確にされており、それぞれの級で出題される文法の範囲や語彙レベルが決まっています。それぞれの級の出題範囲の内容をしっかり勉強して、九五パーセント以上の正解率で合格する。同じ英検二級合格者でも満点近くで合格した人と、六割ちょっとのギリギリで合格した人の実力には大きな違いがあります。実際に、同じ英検二級合格者の受験生で、大学入試センター試験で五割(一〇〇点)しか取れない生徒もいれば、九割(一八〇点)取れる生徒もいるのです。

 

 目指すべきは合格自体ではなく、満点近い高得点での合格です。英検二級までは、実力を養成したり、英語学習のモチベーションを高めたりするために英検を利用するという、落ち着いた受け方をしましょう。

 

〈英語学習成功の法則〉

 

自分の考えを自分の言葉で言える。このレベルが英検一級である。

 

『こどもを英語嫌いにさせない11の法則』安河内哲也著より