食欲不振対策

 

 がん手術後の患者は食欲不振に陥り、生活の楽しみが奪われがちだ。どんな食事が望ましいのか、川崎市立井田病院緩和ケア病棟の主任看護婦(当時。現在は3号棟婦長)、勝瀬真喜子さんと管理栄養士の桜井陽子さんに聞いた。同病棟では末期患者のために食事を工夫し、手厚いケアをしているが、これから社会復帰をめざす術後患者にも参考になるだろう。

 

 「食べることは治療のひとつ」と言う勝瀬さんらに、具体的なメニューをいくつか挙げてもらった。これらは消化器がんの患者に限らない。

 

▽口渇や口腔不快感のある場合=甘みを抑えたシャーベットや脂肪分の少ないアイスクリームなどが好適。

 

▽食欲増進対策=同病棟では三十種類の果実をブランデーに漬けた食前酒を用意している。家庭でも果実酒を工夫するとよい。食事の前にはレモン水や番茶、梅干し湯などで口を洗うと、唾液の分泌がよくなり、食欲が出る。

 

▽嚥下障害のある患者に=ゼリーやあんかけなどのとろみ食を。経口栄養剤をシャーベットにしてもよい。

 

▽手が麻痺して箸を使えないとき=すしやおにぎりを。

 

 「少量でも無理なく食べられるような工夫をしてください。視覚的にも楽しめるよう器に気を配ったり、笹の葉や花を添えるなど季節感の演出も大切です」

 

 口の中のネバネバがつらいと訴える人も少なくない。痰が付着したり、舌苔に覆われた状態になると、唾液の分泌も悪くなり、口渇や味覚障害、食欲不振の原因にもなる。

 

 「家庭でも手軽にできる口腔ケアでは手作り重曹水があります。