硬化性萎縮性苔癬、完全脂肪萎縮症、インシュリン脂肪萎縮症

 

1 硬化性萎縮性苔癬lichen sclerosus et atrophicus 〔LSA]

 

 〔症状〕米粒~爪甲大、白色、扁平にわずかに隆起性の、やや硬い丘疹が多発し、しばしば融合して象牙色の局面を形成する。のち表面萎縮して羊皮状となり毛孔性角栓が目立つ。ときに痰痒・疼痛・不感症あり。女子外陰部を侵すことが多いが、項頸上背、上腕、亀頭、肛囲にも生ずる。

 

 〔本態〕扁平苔癬、限局性強皮症の亜型説あり。陰門・陰茎萎縮症は本症の外陰部発生とみなすことが多い。いわゆるbalanoposthitis xerotica obliterans も本症の亀頭部発生か- Borrelia burgdorferi感染症との関係も論じられている。

 

 [組織所見]①角質増生と角栓形成、②表皮萎縮と液状変性、③真皮上層の著明な浮腫と騾原の均質化、④真皮中層にリンパ球性帯状細胞浸潤。

 

 〔予後〕外陰部の数%が有棘細胞癌化。

 

2 完全脂肪萎縮症total lipoatrophy 〔Lawrence-Seip症候群〕

 

   先天性・後天性あり。全身皮下脂肪の消失。肝〔脾〕腫〔肝硬変が死因となることあり〕 ・高脂血症・骨肥大〔→長頭症〕・糖尿・多毛・外陰早成熟・黒色表皮腫など。

 

3 部分的脂肪萎縮症partial lipoatrophy

 

   小児または中年に、精神的ショック・急性高熱に引続き、・特に顔面・上半身の皮下脂肪が萎縮消失する。腎障害・糖代謝異常を伴うこともある。

 

4 小児腹壁遠心性脂肪萎縮症lipodystrophia centrifugalis abdominalis infantilis 〔Imamura1971〕

 

   3歳以下の幼児の鼠径部または腋窩部から皮下脂肪組織の消失が始まり遠心性に拡大、腹壁・胸壁の大部分を侵す。数年で進行が停止、寛解傾向あり。遺伝因子・病巣感染・機械的刺激などが関与。

 

5 インシュリン脂肪萎縮症Insulin lipoatrophy

 

   インシュリン注射部位に一致して著明に陥凹を来す