真皮貫通性毛包性毛包周囲性角質増殖症、蛇行性穿孔性弾力線維症、穿孔性毛包炎、反応性穿孔性膠原症

 

真皮貫通性毛包性毛包周囲性角質増殖症hyperkeratosis follicularis eりarafollicularis in cutem penetrans 〔Kyrle 1916〕、キルレ病morbus Kyrle

 

   〔症状〕毛孔性角化性丘疹で、周囲に紅暈を有し、孤立性または集簇性、ときに融合して現状局面となる。ケブネル現象陽性。常染色体性劣性遺伝性の炭水化物代謝異常あり、尿

病・肝疾患・腎疾患・高脂血症を伴う。硬い角栓を除くと、発赤した陥凹を示す。のち瘢痕化。主として下肢および体幹を侵す。まれ。

 

 〔組織所見〕毛孔性角栓が底部で毛包壁を破って真皮へ突出し、異物肉芽腫反応を生ずる。非毛孔一致性にも生ずる。角栓に好塩基性のcellular debris がみられる。角栓の壁になる表皮に異常角化細胞がみられ、その角化速度亢進のため角栓形成に至ると考えられる。

 

 

 

蛇行性穿孔性弾力線維症elastosis perforans serpiginosa 〔Lutz 1953〕

 

   〔同義語〕keratosis follicularis serpiginosa [Lutz 1953]、 elastoma intrapapillare perforans verruciforme〔Miescher 1956〕、 keratosis foⅢcularis et perifollicularis serpiginosa

 

  〔Gruneberg 1956〕。

 

   米粒大の角化性丘疹が蛇行状~馬蹄状~環状に並び、次第に拡大するとともに、中央皮膚は萎縮性となる。主として項部、ときに四肢に生ずる。乳頭層弾力線維が増殖変性、肥厚した表皮内に嚢腫構造があり、中に変性弾力線維・壊死組織を含む。弾力線維性仮性黄色腫・蒙古人症・マルファン症候群・エーラス・ダンロス症候群などに合併することがある。

 

 

 

 

穿孔性毛包炎perforating folliculitis [Mehregan-Coskey 1968]

 

 中央に角栓を有する紅斑性角化性丘疹で上腕一大腿・殿部に好発、角栓を除去すると出血をみる。毛包が開大し、真皮より弾力線維や変性真皮成分が壁を穿孔して角栓内に入り込み、角栓も変性に陥っている。腎不全患者の透析中に見られることあり。キルレ病の軽症か。

 

 

 

反応性穿孔性膠原症reactive perforating collagenosis 〔Mehregan-Schwartz-Livingood1967〕

 

  中央に角栓のつまった臍窩を有する小丘疹が、手背・前腕・肘頭・膝蓋のような外傷を反復する部位に多発し、4週ほどのうちに直径6mmほどに達し、6~8週のうちに自然退縮する。再発性でケブネル現象を示す。組織学的に表皮浮腫・顆粒層消失・不全角化かあり、表皮が破れてネクロビオーゼに陥った結合組織、変性炎症細胞、膠原線維が皮表に押し出されている。反復する小外傷によるもので小児に多く、劣性遺伝素因も考えられ〔古典型〕、これに対して糖尿病、腎不全とくに透析患者にもみられるものを成人型〔後天型〕という。

 

 

 Chondrodermatitis nodularis chronica helicis i antihelicis (Winkler 1915〕

 

   耳輪または対耳輪に生ずる有痛性角化性小結節。日光・外傷・寒冷等により膠原線維が変性、ときに軟骨も変性。、肉芽腫状となり、経上皮性排除される状態と考えられる。切除。