マクロファージ、顆粒球の本当の働き

 

 マクロファージは貪食能をもち、細菌処理に当たるのでこの方面の仕事のみが注目されています。しかし、もうひとつの重大な働きは、古くなった自己細胞を積極的に破壊し処理してしまうことです。

 

 マクロファージは破骨細胞にもなります。いらなくなった骨組織を食べて処理するのです。骨組織だけではありません。マクロファージはからだのすべての細胞を処理し続けているのです。ヒトの生体は六〇兆個の細胞が壊され、新しいものに置き換えられているといいます(西原克成博士による)。そして、この処理される細胞のひとつの指標が主要組織適合抗原(MHC)です。

 

 マクロファージから分化した顆粒球やリンパ球も、このような本来の働きを失ってば  いません。このため、顆粒球の過剰炎症(壊疽性炎症)やリンパ球の過剰炎症(フレグモーネ性炎症)があると、自らを破壊することにもなるのです。

 

 炎症が外来異物との戦いであっても、その過剰反応は組織を破壊し自滅することもありえます。逆に、戦いの炎症が十分でなく、外来侵入物を処理できず死に至ることもあります。これはあらゆる炎症で考えに入れておかなければならないことです。

 

 風邪のような病気でも、発熱や炎症が強すぎて自滅することもありますし(リンパ球過剰の子供など)、逆にウイルスとの戦いが十分ではなく、ウイルス血症となって死に至ることもあるのです(リンパ球の少ない老人など)。このように破壊には二つの方向性があります。

 

安保徹の病気を治せる医学』より