風邪を薬で治してはいけない

 

 風邪をひくことを悪い意味にとる必要はありません。風邪ウイルスはT細胞、B細胞の進化したリンパ球系を活性化します。そして、このリンパ球群の炎症はプロスタグランジン関与の炎症を引き起こすので、発赤、発熱、痛みが生じます。

 

 発赤や発熱は、血行がよくなることであり、リンパ球を炎症部位に送り込む生体反応でもあります。痛みやだるさをともなうことが多いので悪者扱いされがちですが、生体の循環系を高めています。下痢が加わることもたまにありますが、これは消化器系の働きの高まりです。鼻水は分泌、排泄系の高まりです。このような生体反応にプラスになることばかりなので、休息のサインと思ってからだを休める心がまえが大切です。もちろん解熱鎮痛剤を使ってこれらの反応を止めてはいけません。

 

 ふつうの風邪だけではなく、ほかのウイルス感染も同様です。体力が落ちてきたり、無理をしたりすると口唇ヘルペス帯状疱疹を引き起こすことがありますが、やはり発赤、発熱、痛みを止めてはいけません。

 

 感染が治ったあかつきには、リンパ球が上昇して免疫能が上がり、次にウイルスが侵入してきても耐える力を獲得しています。とくに、老人にはこの考え方が大切です。

 

安保徹の病気を治せる医学』より