FDAがCinqairを承認

The U.S. Food and Drug Administrationは本日、重度の喘息を呈する18歳以上の患者を対象に、喘息治療薬との併用薬としてCinqair (reslizumab)を承認した。既存の薬剤の投与を受けているにもかかわらず、重い喘息発作を呈したことのある患者に対して、Cinqairが使用される。

 

 

Centers for Disease Control and Preventionの報告によれば、2013年の時点で、米国では2200万人以上が喘息を抱えており、毎年400,000人以上が喘息により入院している

 

 

これにより、現在の治療法では十分に抑えられない疾患が生じた場合に、医療従事者やその患者はCinqair投与という新たな選択を行うことができる。

 

Cinqairはアナフィラキシーの管理に適応した医療現場において、医療従事者が4週に1回の頻度で静注により投与する。Cinqairは血中の好酸球数blood eosinophilsを減らすことで重度の喘息発作を緩和する。好酸球は喘息の発生に寄与する白血球a type of white blood cell that contributes to the development of asthma。

 

Cinqairの安全性と有効性は、既存の治療法を受けているにもかかわらず重度の喘息を呈している患者を対象とした4件の二重盲検無作為化プラセボ対照臨床試験により確認された。 Cinqairとプラセボが4週毎に投与された。プラセボと比較すると、Cinqair 投与を受けた重度の喘息患者では喘息発生頻度が低下し、最初の発作までの期間が長期化した。

 

Cinqairはアレルギー反応などの深刻な副作用をもたらすことがある。これらの反応は致命的なものになり得る。Cinqair の臨床試験で確認された最も一般的な副作用はアナフィラキシーや癌、筋肉痛などであった。

 

Cinqairはペンシルベニア州FrazerのTeva Pharmaceuticals社によってつくられた。

Hepatic portal venous gas in an elderly with Crohn’s disease

 

(門脈ガス血症を伴った高齢発症Crohn病の1例)

 

【症例】72歳,男性.【主訴】右下腹部痛,嘔吐.【既往歴】高血圧,大動脈解離(DeBakeyIIIb).【現病歴】2013年4月に突然の強い右下腹痛と嘔吐を主訴に当院救急外来を受診した.腹部は板状硬で,CTで回盲部の炎症と門脈内ガス像を認めたが,腸管壊死や穿孔を示唆する所見はなかったため,回盲部炎の診断で保存的に治療する方針で当科入院となった.入院後経過は良好で5月中旬に退院となったが,1週間後に腹痛と嘔気を主訴に再受診した.CTで回盲部に狭窄起点のある小腸イレウスを認めたため,精査加療目的に再入院となった,イレウス管を挿入し減圧を図ったのち下部消化管内視鏡を施行したところ,回腸末端に白苔を伴った全周性の潰瘍と狭窄を認め,同部位からの生検でCrohn病と診断された.回盲部の狭窄は高度であり,内視鏡的バルーン拡張術による治療は困難であると判断して,回盲部切除術を施行した.術後は5-ASA製剤内服とインフリキシマブで寛解を維持している.【結語】門脈ガス血症を伴う高齢発症のCrohn病の1例を経験した.高齢発症のCrohn病は報告数が少なく,さらに門脈ガス血症を伴った興味深い症例として報告する.

Kengreal (cangrelor)にFDA承認: 新たな抗血小板薬

 

FDAは本日、Kengreal (cangrelor)を承認しました。同薬は静注用の抗血小板物質であり、心臓に血液を供給する血管である冠動脈における有害な血栓(blood clot)の形成を防ぎます。心筋への血流を改善させるために、塞がった冠動脈を開くために用いられる処置である、経皮冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention)を受けた成人患者が対象となります。

米国疾病対策センター(Centers for Disease Control and Prevention,)によると、経皮冠動脈インターベンションは米国で毎年薬500000人に対して実施されています。動脈を開いたまま維持させるために用いられるステント、小さなメッシュのチューブを置換することによって、狭窄部位でバルーンを膨張させて冠動脈を拡張します。

血栓の蓄積を防ぐことにより、Kengrealは同処置に関連した重度の血栓性合併症(clotting complications)、たとえば心臓発作やステント血栓症(stent thrombosis)のリスクを低下させます。

 

「経皮冠動脈インターベンションを受けた患者では、血栓が深刻な障害を引き起こす可能性があります。Kengrealの承認は患者に別の治療選択肢を与えます」とNorman Stockbridge医学博士は話します。

 

FDA承認済みの他の抗血小板薬の場合と同じように、Kengrealの最も深刻な副作用は生命を脅かす出血です。

1万人以上の患者を対象とした臨床試験でKengreal とPlavix (clopidogrel)の比較を行いました。Kengrealは心発作とステント血栓症発生率を低下させ、さらに動脈を拡張するための追加治療のニーズを減らしました。重度の出血の総合的な発生率は低かったですが、clopidogrelよりもKengrealのほうでより多く発生していました。Kengreal群では170名につき約1名が重度の出血を呈したのに対して、clopidogrel群では275名につき約1名でした。

Kengreal はニュージャージー州のParsippany に本社を置くThe Medicines社によって製造販売されます。

 

活性型ビタミンD3製剤による転倒防止効果

 

 Dukasらは, 378名の高齢男女(平均年齢75歳)をアルファカルシドール1μgまたはプラセボを投与した群に無作為に割り付けし,9ヵ月後の転倒者数を比較した.その結果,アルファカルシドール群では,プラセボ群よりも転倒者数が少ない傾向にあったものの有意差はなかった(オッズ比[OR]:0.69, 95%信頼区間[CI]:0.41~1.16)Rしかし,対象者をカルシウム摂取量が1日512 mg 以上に限定した場合,アルファカルシドール群で転倒者数が有意に減少していたと報告している(OR:0 .45, 95 % CI :0.21~0.97, p= 0.04)8).

 また, Gallagherら9)は,無作為に割付けられた65~77歳の女性において,カルシトリオール0.5μgを3年間連日投与した群(n= 86)では,プラセボを投与した群(n= 96)よりも,転倒頻度が有意に少なかったと報告している(p<0.01).

 ビタミンDの転倒防止効果のメタ解析

 Bischoff-Ferrariら10)は,前述の5つのランダム化比較試験5)-9)の結果を用いて,ビタミンD(天然型および活性型)の転倒防止効果に対するメタ解析を報告している.このメタ解析では,調整後のORは0.78であったことから(95 % CI:0.64~0.92),ビタミンD(天然型および活性型)の投与は,転倒のリスクを22%減少させることが明らかとなったlo).また,この報告では,治療必要数(numberneeded to treat)は15(95% CI:8~53)であると述べている。 すなわち,1人の転倒を防ぐには,15人にビタミンDによる治療が必要であると考えられる.

 わが国におけるビタミンDの転倒防止効果に関する研究

 萩野ら11)は,多施設共同研究において,6ヵ月間の活性型ビタミンD3製剤(アルフアカルシドールまたはカルシトリオール)の投与前後における転倒関連運動機能と転倒頻度の変化を検討した.この研究は,利き手の握力が18 kg 未満である75歳以上の閉経後骨粗鬆症患者を対象として行われたが,活性型ビタミンD3製剤の投与後に,転倒関連運動機能として評価した握力,5m歩行速度,Timed up &goテストが有意に改善していた(p< 0.05)1".しかし,解析症例数が29例と少なかったことなどから.転倒頻度の有意な減少までは得られなかった.わが国におけるビタミンDの転倒防止効果に関する研究は非常に少ないため,今後は日本人を対象とした多数の研究によるエビデンスの蓄積が望まれる.

活性型ビタミンD3製剤の薬理作用

 

 活性型ビタミンD3の骨作用をラットやマウスで検討してみると,生理的なビタミンD作用以外にも,その薬理学的な作用として骨吸収の抑制をもたらすことが明らかにされている.一方で,骨形成は低下せず,結果として活性型ビタミンD3投与により骨量の減少が抑制されるという成績が得られていが).この成績は,活性型ビタミンDバこは骨吸収を抑制し骨形成を維持するという薬理作用が期待できることを示唆している.また,その骨吸収抑制作用は,破骨細胞前駆細胞におけるCS発現の抑制を介することが報告されている4'.ビタミンDの作用はすべて1,25(OH)2DがビタミンD受容体と絡合して発揮されると想定されるため,天然型ビタミンDと活性型ビタミンD3作用の相違は,それぞれの組織に対する作用強度の相対的な違いによるものと推測される.

 ビタミンDのカルシウム代謝に関する作用が過剰になると,高カルシウム血症やそれに伴う腎障害が問題となる.したがって,ビタミンDのカルシウム代謝作用にくらべて骨代謝に対する作用を強力にもつ薬剤が得られれば,骨粗惹症に対する有望な治療薬となることが期待される.このような発想から,多くの活性型ビタミンD3誘導体が合成され,その薬理作用が検討されてきた.その結果,現在では生理的なホルモン活性を有する1,25 (OH) 2 D3(カルシトリオール), 25位に水酸基をもたないプロドラッグであるアルファカルシドールおよびカルシトリオールに側鎖を導入したエルデカルシトール[la,25-ジヒドロキシー2β-(3-ヒドロキシプロピルオキシ)D,]が骨粗程症の治療薬として用いられている.


 活性型ビタミンD3の骨折抑制効果

 日本では活性型ビタミンD3製剤としてアルファカルシドールが広く用いられているが,欧米ではカルシトリオールがおもに用いられている.理論的に両者の薬理作用には大きな相違ないものと考えられており,臨床研究のメタ解析や系統的レビューでは両者を活性型ビタミンD,と一括して評価していることが多い。 これまで最も大規模な活性型ビタミンDパこよる骨折抑制効果を指標とした臨床試験は, Tilyardらによりニュージーランドで実施された622人の閉経後骨粗鬆症女性に対する,カルシトリオールによる3年間の椎体骨折抑制効果に関するものである

 この研究では,カルシウム1g/日を投与した対照群にくらべてカルシトリオールにより椎体骨折抑制効果が認め天然型ビタミンD各臨床試験の結果を統合すると,活性型ビタミンD3投与群における椎体骨折の発生は対照群にくらべて0.64 (95%信頼区間:0.44~0.92)であり,骨折抑制効果が認められる.また,天然型ビタミンD投与試験の成績を加えたビタミンD投与群全体においても,椎体骨折の発生は対照群にくらぺて有意に低い.

骨密度増加作用と骨折抑制効果

 

 活性型ビタミンD3は,わが国では骨量維持効果と脊椎骨折抑制効果を有することが証明されており6),最もよく処方されている薬剤である.しかし,欧米での活性型ビタミンD3の骨粗鬆症治療薬としての評価は必ずしも高いものではなく,低Ca摂取者やビタミンD不足者,高齢者において有効な例はあるが,これは骨への直接作用ではなく,腸管からのCa吸収促進効果によるものであろうという程度の評価が大部分であった.

 しかし,メタ解析で活性型ビタミンD,製剤の0.5μg/日以上の投与により,腰椎,前腕の部位で有意な骨密度上昇を認め,脊椎骨折の相対リスクを有意に抑制することが明らかとなり7),わずかな骨量増加作用と骨折抑制効果を有する薬剤であると認識されるようになった.ステロイド骨粗鬆症に対する有用性も報告されており,メタ解析において,活性型ビタミンD3製剤が骨量減少を抑制し,有意な椎体骨折抑制効果を有することが示された。

 一方,非椎体骨折については,65歳以上の高齢者に活性型ビタミンD3を0.5μg/日以上投与した検討のメタ解析にて,非椎体骨折の相対リスクを有意に抑制するとされた。 ほかのメタ解析でも非椎体骨折抑制効果が示されており,これには転倒予防効果が寄与していると考えられている.

1。新規活性型ビタミンD3製剤

 新規活性型ビタミンD3製剤であるエルデカルシトールは1 a, 25 (OH) 2 D八こ比し,骨に対する作用が強化されたビタミンD誘導体である.わが国における原発性骨粗霧症患者を対象とした検討で,天然型ビタミンDを補充したビタミンD充足状態でも,エルデカルシトールが用量依存的な腰椎骨密度増加効果を有することが示されている11).エルデカルシトール0.75μg/日とアルファカルシドール1μg/日によるわが国での二重盲検大規模臨床試験にて,エルデカルシトールの有意な椎体骨折抑制効果が示された

2.併用療法

 日本骨粗頼症学会における医師主導型研究組織による治療介入研究:Japanese Osteoporosis Intervention Trial(JOINT)-02では,70歳以上の閉経後女性2,164名を対象として,ビスホスホネートに対する活性型ビタミンD3製剤の併用効果が2年間の前向きで検討されたI。試験全体ではビスホスホネート単独群とビスホスホネートと活性型ビタミンD3併用群で椎体骨折リスクに差を認めなかった

 しかし,サブ解析で既存椎体骨折2個以上の症例,椎体骨折グレード3以上の重度の椎体骨折症例において,単独群に比し併用群で有意な椎体骨折抑制効果を認めた.つまり,重症骨粗程症においては併用療法が有用であることが明らかにされた.この効果はビタミンD充足状態を反映する25(OH)D濃度の高低で,骨折抑制効果に差を認めておらず,活性型ビタミンD3自体の骨自体あるいは骨外への作用によりビスホスホネートとの相加効果を示した可能性が考えられる.

3 使用方法

 活性型ビタミンD,製剤には1 a (OH)D3(アルファカルシドール)と1 a, 25(OH)2 D3(カルシトリオール)の2種類

ビタミンD代謝物測定法

 

 試料を測定前に簡易カラムまたは高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で精製し,フタル酸ジブチル(DBP)などの干渉成分を除去する方法がかっては一般的であったが,最近では試料から直接ビタミンD代謝物を抽出し測定できるキットも日常検査法として普及している.

 ビタミンD代謝物測定法としては, DBPを利用した競合的結合蛋白測定(competitive protein binding assay ;CPBA)法,ビタミンD受容体を利用した放射受容体測定(radioreceptor assay ; RRA)法,抗体を利用した免疫測定法(RIA法, EIA法,CLIA法など)がある.最近では,抗体技術の進歩などにより免疫測定法においてD,とD3の識別が可能ともなっている.

 一方,日常検査法として汎用されていないが,液体クロマトグラフ質量分析技術を用いたタンデム型液体クロマトグラフ質量分析(liquid chromatography-tandem massspectrometry ; LC-MS/MS)法を用いた測定も可能なり,各代謝物を特異的に測定できることも可能となっている.

基準値と測定データ判読

 25(OH) Dの基準下限値は,おおむね10 ng/mL前後に設定されている.基準値下限未満は,骨軟化症をきたすビタミンD欠乏症(成人では骨軟化症,小児ではくる病)と診断される.一方, 100 ng/mL以上ではビタミンD中毒症と診断される.また, 25 (OH) D測定値が基準値範囲内であっても低値の場合,ビタミンD貯蔵量が不十分な非充足状態のことがあり,このような態をビタミンD不足(in-sufficiencyまたはinadequacy)と呼ばれている.

 1,25 (OH) 2 Dの基準下限値は,おおむね成人および小児とも20 pg/mL に設定されている.20 pg/mL 未満は,ビタミンD欠乏症と診断される.70 pg/mL 以上では,副甲状腺機能亢進症,ビタミンD依存性皿型(ビタミンD受容体障害),サイコイドーシス,先端巨大症,成長期,妊婦,授乳期,エストロゲン投与などの可能性が示唆される.2ビタミンD代謝物濃度測定の評価(臨床的意義)(表2)3)-12)

 25 (OH) Dおよび1,25 (OH) 2 D測定は,ビタミンD欠乏症の診断および鑑別診断には必須である.種々のビタミンD代謝異常症の正しい診断には25(OH)D測定を行わないかぎりは不可能であるが,わが国での保険適用は1,25(OH)2Dのみであり, 25 (OH) D測定は保険適用となっておらず,現在,体外診断用医薬品製造承認申請中であり,その経緯が待たれる.

 1,25(OH)2 D測定は,高カルシウム血症,低カルシウム血症の鑑別診断において,血中PTH測定とともに,慢性腎不全,特発性・術後性副甲状腺機能低下症,ビタミンD依存性I型(1α一水酸化酵素欠損),偽性副甲状腺機能低下症などでは,重要な臨床検査項目となっている.

ビタミンD欠乏症とビタミンD不足の場合

 25(OH)Dの測定は,体内のビタミンDの充足状態を最も正確に反映するものとして,近年,その測定の重要性が世界的に注目を浴びている.

 ビタミンD欠乏症で1, 25 (OH) 2 D値が低値となることはきわめてまれであり,むしろ,高値となるのが一般的である(PTH分泌亢進と低リン血症により1α一水酸化酵